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春風亭昇太注目!マンガ『あかね噺』原作者末永裕樹、制作秘話を語る!

  • 執筆者の写真: サエグササエル
    サエグササエル
  • 2022年11月26日
  • 読了時間: 5分

週刊少年ジャンプで連載中のマンガ『あかね噺』の原作者・末永裕樹氏と監修を担当している落語家・林家けい木が、2022年5月25日放送のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』にゲスト出演。制作秘話について語った。



末永氏は32歳。2017年に第3回ストキンProで準キング&キャラ賞を受賞。受賞作『舞台を降りる、その時は』はジャンプGIGAに読み切り掲載された。

2021年、お笑いに青春をかける2人を描いた『タタラシドー』が週刊少年ジャンプに読み切り掲載。

そして2022年2月、『あかね噺』が連載スタート。


監修の林家けい木は31歳で、埼玉県出身。2010年、18歳の時に林家木久扇に弟子入りし、2015年に二つ目昇進。古典・新作・ものまねと芸風の幅が広い。

また、笑点ではアシスタントとしてお手伝いをしているため、『笑点』司会で『水曜ビバリー』パーソナリティーの春風亭昇太とは顔なじみ。


そして漫画『ONE PIECE』に技名ややり取りなどでちらちらと出てくる落語ネタの解説を勝手に自身のTwitterで呟いていたところ、ムック本『ONE PIECE magazine』で、『ONE PIECE』と落語の関係性のコラムを担当させてもらえるように。その縁で『あかね噺』の監修を担当する事になった。

末永先生とも年齢が近いので、話しやすいという。


『あかね噺』製作ウラ話



末永氏は高校時代からお笑い好きで、現在もお笑いラジオを聴いているほど。お笑い以外の作品も書いた事はあるが、掲載に至ったのはお笑い系の作品が多かった。

元々は“落語マンガを描こう”というスタートではなく、連載企画会議で、かねてから考えていたキャラクター『桜咲朱音(おうさき・あかね)』を主人公にしたマンガを描こうと考えていたところ、朱音が一番しなさそうなものを考えた時に、落語に当たったという。

この話にはパーソナリティーの春風亭昇太も納得。自身も新作落語を書く時に、キャラクターがしなさそうなことを考えて書き始めると語った。


昇太は『あかね噺』を読んでみて、現在の落語界の様子に似た部分が垣間見えると語り、また、あかねの父・志ん太が柳亭小痴楽に似ていると言い、けい木も同感。

末永氏によると、キャラクターデザインは作画の馬上鷹将先生が主体となって考えてもらってるそうで、もしかしたらモチーフにしているかもしれないと語った。


末永先生が落語を観始めたのは、『あかね噺』を描き始めてから。「初めて観て、感じたところをそのまま描いている」ので、正座姿の美しさなども、監修のけい木と話し合いながら作っているという。


また、マンガと言えど現実とあまりにもかけ離れている事は描かないようにしているそうで、第1話の『全員破門』の設定こそ有り得ないが、それ以外はけい木と話し合いながら気を付けていると語った。


作中で披露する落語の選択は末永氏の主導。その各話の中で、合致しそうな噺は無いかと探しながら当てはめているという。

けい木も末永氏の描いたネーム(基原稿)を読んで監修を担当しているが、中にはけい木の持ちネタではない噺も登場。作中で朱音が『子ほめ』を披露するが、木久扇一門では誰一人『子ほめ』を持っていなかった。

監修を務めるにあたり、「大丈夫かよ」とみんなに言われているが、実際このように持ちネタでないものが出て来た時はパニックで、朝イチで国立演芸場のアーカイブを探って調べたり、夜中にYouTubeを観て調べたりしているそうで、芸歴12~13年目で、「今が一番楽語を勉強している」と語った。


同じ噺でも一門によって所作の違い、言葉遣いの差があるそうで、例として「(古今亭)志ん朝師匠の方が綺麗だから」という形で選ぶこともあるという。

落語芸術協会会長も務める昇太は、所作などに「基本正しいってのは無い」としながら、落語は自分の世界を創り上げる事なので、「いいんじゃないの。そういうもんだってことで」とフォローした。


個人的には、連載生活で昼夜が逆転。普段はこの生放送の時間の12時ぐらいに起きているそうで、元々は朝方の人間だったが、原作を書くにつれて、朝5~6時に寝るようになってしまったという。


作画で変わる方向性



後半では、末永先生が選ぶ、馬上先生の作画を観てグッと来たシーンベスト3を発表。


第3位、兄弟子・享二の『三方一両損』


享二と師匠・志ぐまの師弟関係とリンクさせていて、エピソード自体も気に入っているが、マンガの中で落語の情景シーンと、マンガのカッコイイ見栄切りがバチっとハマっていると感じたという。


第2位、朱音の『まんじゅうこわい』


朱音は第3話で初めて落語を披露するが、描かれた朱音の表情を見た時、臨場感があって良いと感じ、また、すごくかわいらしく描かれていたので、この朱音の表情がこの作品の武器になると感じ、今後の物語作りも変えていこうと考えたという。

そして老人ホームで朱音が客席にアイコンタクトをするシーンは、この辺りから思いついたと明かした。


けい木は朱音が『まんじゅうこわい』を演じる中で、1つのコマで3役を表情と吹き出しの形を変えて表現しているところに、発明だと衝撃を受けた語った。


第1位、朱音の父・志ん太の『芝浜』


落語を題材に選びながらも少年ジャンプで連載し続けられるかどうかに不安があったそうで、だがこの第1話の作画が上がってきた時に、「これなら少年マンガで戦っていける」と衝撃と感動を受けたという。一番カッコよく、気に入っているシーンだと語った。

けい木もそのシーンでは、落語の中の勝五郎が帰ってくるシーンを観て、その表情に「自分もこんな顔してるのかな、まだ出来てないのかな」と考えさせられるほどに見入ってしまったという。昇太もまだ落語に慣れていない人が落語を聞いた時にイメージしやすいだろうとオススメした。


ちなみにこの芝浜は、落語では有名な噺だが、けい木は大師匠(師匠の師匠)の桂三木助の持ちネタであり、以前『大師匠に挑戦』という企画で挑んだため、意外にも持っていると明かし、逆に昇太は「僕には合わないから」と持っていなかった。



『あかね噺』に昇太も出たいとアピール。だが末永氏によると、新作落語の描き方が難しいと難色を示し、昇太は「古典でいいです」と譲歩し、みんなに慕われていて動物に優しい会長役をリクエストした。


ちなみに、番組ではナンバーガールの『透明少女』をリクエストした。



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