クイズ作家矢野了平、アタック25、プロフェッショナルの出演の裏側を語る!
- サエグササエル
- 2022年10月31日
- 読了時間: 5分
2021年11月14・21日放送のTOKYOFM『空想メディア』にクイズを得意とする放送作家・矢野了平氏がゲスト出演。クイズを中心とする放送作家になるまでを語った。
現在の体重は110kgの矢野氏。学生時代に空手と剣道をたしなんでいたが、高校からはクイズ一辺倒に。
子供の頃、家は裕福ではなく、自分だけ自転車が無かった。そのため、皆が遠出しないよう興味を引くために、テレビの話や、クイズを出して引き止めており、児童会では校庭を使って○×クイズを出すほどだった。
中学時代にはラジオのクイズコーナーでお小遣い稼ぎ。当時はバブルの空気をまとい、松尾貴史のラジオ番組で、10日勝ち抜くと10万円プラスヨーロッパ旅行、TBSラジオで1週間勝ち抜くとハワイ旅行、伊集院光の番組で全問正解すると4万5千円もらえるなど番組側の羽振りが良かった。
お金のためにクイズについて考えるようになり、中・高合わせると賞金総額(商品を換算)は100万円を超えたという。
●矢野先生の詳細なインタビュー
ここで、パーソナリティーの高須からもクイズ番組について。高須の義父は元フジテレビアナウンサーの増田明男。聞いた話で、増田がテレビ局に入った理由は、テレビ草創期のクイズ番組に参加し、優勝すると海外に行けたぐらい凄さを感じたからだそうで、矢野によると、テレビ局の重役にはクイズ番組参加経験者が多いという。
そして矢野は大学に進学。だがマスコミの制作系は目指しておらず、就職を考える時期にはテレビ界のクイズ番組は下火傾向で、フジテレビで『クイズ$ミリオネア』(00.04~07.03)が始まったぐらいだった。クイズ好きとしては『パネルクイズ アタック25』(75.04~)に出たらほぼ終わりだった。
そのため矢野は大学3年生の時に児玉清司会の『アタック25』に出演し、優勝を経験。それでも作り手になる気は無かった。
ただ、大学時代は東洋大学クイズ研究会に所属。それにより東大や早大の同サークルと横のつながりがあり、問題製作のアルバイトの話がちらほらと回ってきていた。
その関係で毎年必ず『高校生クイズ』(1983~)の問題製作に参加していた矢野は、最後の年に番組プロデューサーから進路を訊かれ、アルバイト先の居酒屋の正社員になるつもりだったが、他の事を経験してもいいんじゃないかと、「興味あります!」と答え、高校生クイズを立ち上げた会社の社長を紹介され、現在も所属して22年になるという。
クイズは3年間禁止!
事務所では先輩からリサーチの仕事を振られることはいっぱいあったが、入ってすぐ社長から、「お前がクイズを出来るのは分かった」と前置きされ、クイズ仲間との集まり、クイズ番組に参加、自分でクイズの仕事を取ってくることは「3年間禁止ね」と約束させられた。
そしてその3年間で、クイズ以外のリサーチなどの仕事の仕方、企画書の書き方を学ぶよう言われた。
当時はまだネットが無い頃でリサーチが大変だった。矢野がリサーチを担当していた頃は、マスコミ業界電話帳や、業界の20年という長い歴史で積み重ねられた極秘の電話帳を駆使して専門家に電話し、調べたという。
問題製作に関しては、不備が無いよう2件以上取材し、取材メモにも電話番号を記載して万全を期すようにしたと語った。
放送作家の事務所だったので、「クイズしか作れない作家になったらお前つまんないぞ」と注意されていろんな仕事を学び、それが現在クイズ作家以外の仕事に繋がっているのでありがたかった。
そして「3年経ったら好きな事やっていいぞ」と言われ、クイズを中心に様々な企画を立ち上げた。
プレイヤーとしての矢野
そんなクイズ作家の矢野だが、解答者としては日本ランキングの上位には入らないと謙遜。クイズマニアや研究会の人々と普段使っている頭が違うため、解答者として勝つのは難しいと解説。
そんな矢野だが、それでも『アタック25』のテレビ朝日最終回(21.09.26)の予選に参加。過去の参加者としてお知らせのハガキが来たそうで、そして予選に行くと部屋に約50名ほど集まっており、そこでペーパーテストを受けた上位5人の面接が行われたそうで、矢野はその上位5名に残り、自分の力量を再確認できて、最終回出場を期待していた。
しかし実は予選は東京・大阪合わせて計8回も行われ、また制作サイドから、「最終回の出演者はバランスを勘案してオファーします」と明言されていた事もあり、結果として矢野は呼ばれなかったが、選考結果を了承した。そして放送を観ると、クイズ研究会の若手などがバリバリ答えていて、「行かなくてよかった~」と安堵したという。
『プロフェッショナル』出演秘話
矢野のポリシーは「来た仕事は全部受ける」事にしているそうで、やったことない仕事でも、振られて初めて自分の新しい扉が開き、オファーする側も矢野ならできると思って振っているので、応えるべきだと考えている。
最近では、テレビ東京プロデューサー(当時)の佐久間宣行氏から深夜ドラマ『あなた犯人じゃありません』(2021.01~03・テレビ東京)でミステリーの肝となるトリックを頼まれて、やる事に。これまでの知識は全く役に立たなかったという。
やればまた違う自身の可能性を見出せると考え、スケジュール都合などの不可以外は受けるつもりだそうで、最近はTwitterのDMで中学校教師から職場体験のインタビューをさせてほしいという依頼が来た事もあると語った。
自身のNHK『プロフェッショナル』(2021.04.06)出演は、番組の密着担当ディレクターと別の現場で知り合い、「クイズ作家に興味があって教えて下さい」と頼まれ、説明や人選・紹介を手伝ったが、その後に自分もとお願いされ、まさかだったと明かした。
Commentaires