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  • 執筆者の写真サエグササエル

ドイツの隠れた避暑地・シュプレーヴァルト

ドイツにある緑のヴェネティア「シュプレーヴァルト」


ドイツ東部、ベルリンの南にある地域。森に囲まれ、20近い村が点在する。1903年にはもう電気が届いていた。

主な村:「リューベナウ村」「ライペ村」など。


外には小川が流れ、大小さまざまな水路があり、総延長は1000㎞にも及ぶ。

夏には多くの観光客が訪れ、「緑のヴェネティア(ベネチア)」とも呼ばれている。


水辺に農村地帯が広がる。

元々は広大な沼や湿地。先祖が水路を掘り、農業に適した土地を少しずつ切り開いていった。


「シュプレーヴァルトの生活」


道を歩くより川べりの方が多くの人と出会える。

子供は5才になると、自転車代わりに舟を漕ぐ練習をする。


黒と黄色の舟と制服は郵便配達。


ごみ収集や牛の運搬も舟で行う。

畑や牧草地が川の周りに点在している。


「シュプレーヴァルトの家」


家は川に面していて、眺めが良い。

どの家も昔ながらの風情を大切にしている。


名物パンケーキ「プリンゼ」


シュプレーヴァルト地方のパンケーキ。クレープのように焼いた生地を転がすように畳んで長方形にし、上にトッピングしてナイフとフォークでいただく。


「村の歴史がわかるカフェ」


地元で一番古い写真館が営むカフェ。村の古い写真がいくつも飾ってある。

初代店主が書き続けた日記には、村の天候や出来事などが事細かに書かれている。


ひっそりと暮らす先住民族「ソルブ」


シュプレーヴァルトに古くからいるスラブ系民族。7世紀の頃、この地域に初めて住みだした民族で、ひっそりと暮らしてきた。やがてゲルマン人と同化し、独自の文化は薄れていった。

黒く大きな頭巾が伝統衣装。頭巾は住む村によって違う。頭巾を見ればどこの村かすぐわかる。

パンと塩で出迎えるのが伝統的スタイル。


特別な意味がある「イースターエッグ」


シュプレーヴァルトでは、1年中飾ったり、誕生日の贈り物に使ったりする。

ソルブでは模様に意味があり、「カラスの足跡」は知性を意味する。白と黄色の三角で囲んだ柄は「狼の歯」で、邪悪なものを寄せ付けない御守。

模様は鳩の羽ペンで描く。一点一点、地道に色を乗せていく。一つ仕上げるのに約3時間ほどかかる。


名産「亜麻の花」


亜麻仁油が取れる。昔ながらの製法で油が作られている。10㎏の種から約2リットルの亜麻仁油が取れる。


名物料理「ジャガイモとフレッシュチーズと亜麻仁油」


蒸かした皮付きのジャガイモを剥いて、チーズと亜麻仁油を絡めたシンプルな料理。


「コウノトリ」


夏の初めによく現れる。


ソルブ教育の「幼稚園」


村で唯一の幼稚園。「WITAJ WiLLKOMMEN」(ようこそヴィタイ(ソルブ語で接しよう)へ)ソルブ語やソルブの文化を歌や劇で教えている。保育士はソルブ語で子供たちに話しかけるが、子供たちはドイツ語を話す。


●ソルブ語

「ウーハーツ」:ウサギ。

「ベション」:コウノトリ。

「クェニック」:馬。


ソルブ語教育について↓



夏の「お祭り」


夏、シュプレーヴァルト中が集まる地域のお祭りが行われる。皆、伝統衣装に身を包み、フォークダンスのように、ペアになってダンスを踊る。


このページは、2018年7月放送のNHK-BSプレミアム『桃源紀行』を基に製作しております。


ガイド:ペーター・バッカーさん

元理科の教師で、退職後、作家に転向。シュプレーヴァルトの歴史や生活について書いた本を8冊以上上梓している。



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