ドイツの隠れた避暑地・シュプレーヴァルト
- サエグササエル
- 2023年5月16日
- 読了時間: 3分
ドイツにある緑のヴェネティア「シュプレーヴァルト」
ドイツ東部、ベルリンの南にある地域。森に囲まれ、20近い村が点在する。1903年にはもう電気が届いていた。
主な村:「リューベナウ村」「ライペ村」など。
外には小川が流れ、大小さまざまな水路があり、総延長は1000㎞にも及ぶ。
夏には多くの観光客が訪れ、「緑のヴェネティア(ベネチア)」とも呼ばれている。
水辺に農村地帯が広がる。
元々は広大な沼や湿地。先祖が水路を掘り、農業に適した土地を少しずつ切り開いていった。
「シュプレーヴァルトの生活」
道を歩くより川べりの方が多くの人と出会える。
子供は5才になると、自転車代わりに舟を漕ぐ練習をする。
黒と黄色の舟と制服は郵便配達。
ごみ収集や牛の運搬も舟で行う。
畑や牧草地が川の周りに点在している。
「シュプレーヴァルトの家」
家は川に面していて、眺めが良い。
どの家も昔ながらの風情を大切にしている。
名物パンケーキ「プリンゼ」
シュプレーヴァルト地方のパンケーキ。クレープのように焼いた生地を転がすように畳んで長方形にし、上にトッピングしてナイフとフォークでいただく。
「村の歴史がわかるカフェ」
地元で一番古い写真館が営むカフェ。村の古い写真がいくつも飾ってある。
初代店主が書き続けた日記には、村の天候や出来事などが事細かに書かれている。
ひっそりと暮らす先住民族「ソルブ」
シュプレーヴァルトに古くからいるスラブ系民族。7世紀の頃、この地域に初めて住みだした民族で、ひっそりと暮らしてきた。やがてゲルマン人と同化し、独自の文化は薄れていった。
黒く大きな頭巾が伝統衣装。頭巾は住む村によって違う。頭巾を見ればどこの村かすぐわかる。
パンと塩で出迎えるのが伝統的スタイル。
特別な意味がある「イースターエッグ」
シュプレーヴァルトでは、1年中飾ったり、誕生日の贈り物に使ったりする。
ソルブでは模様に意味があり、「カラスの足跡」は知性を意味する。白と黄色の三角で囲んだ柄は「狼の歯」で、邪悪なものを寄せ付けない御守。
模様は鳩の羽ペンで描く。一点一点、地道に色を乗せていく。一つ仕上げるのに約3時間ほどかかる。
名産「亜麻の花」
亜麻仁油が取れる。昔ながらの製法で油が作られている。10㎏の種から約2リットルの亜麻仁油が取れる。
名物料理「ジャガイモとフレッシュチーズと亜麻仁油」
蒸かした皮付きのジャガイモを剥いて、チーズと亜麻仁油を絡めたシンプルな料理。
「コウノトリ」
夏の初めによく現れる。
ソルブ教育の「幼稚園」
村で唯一の幼稚園。「WITAJ WiLLKOMMEN」(ようこそヴィタイ(ソルブ語で接しよう)へ)ソルブ語やソルブの文化を歌や劇で教えている。保育士はソルブ語で子供たちに話しかけるが、子供たちはドイツ語を話す。
●ソルブ語
「ウーハーツ」:ウサギ。
「ベション」:コウノトリ。
「クェニック」:馬。
ソルブ語教育について↓
夏の「お祭り」
夏、シュプレーヴァルト中が集まる地域のお祭りが行われる。皆、伝統衣装に身を包み、フォークダンスのように、ペアになってダンスを踊る。
このページは、2018年7月放送のNHK-BSプレミアム『桃源紀行』を基に製作しております。
ガイド:ペーター・バッカーさん
元理科の教師で、退職後、作家に転向。シュプレーヴァルトの歴史や生活について書いた本を8冊以上上梓している。
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