ホリプロ・堀義貴社長が語る芸能事務所を独立することのデメリット
- サエグササエル
- 2023年1月23日
- 読了時間: 3分
大手芸能事務所ホリプロの堀義貴社長が2021年4月18日放送のTOKYOFM『空想メディア』にゲスト出演。最近流行っている芸能事務所を独立するタレントについて語った。
堀義貴氏は、芸能プロダクション協会会長も兼務。昨今の独立が多発する流れに、「昔と違うのは、タレントさんが(芸能界の経済)情報をたくさん持っている」ということも一端だと語る。
だが独立にはデメリットも多い。
その一つに堀氏は、「いいマネージャーを横に置くことがもっと難しい」と挙げる。
芸能人にはマネージャーが付くが、独立する場合は長く側に付いているベテランのマネージャーと共に退社する場合が多い。
ベテランのマネージャーほど有能に思えるが、タレントの仕事の種類の好みや、ネット配信などの新しい仕事環境など、新規案件についてタレント本人に確認を取る前に一蹴してしまい、それが結局時代の変化に対応できないことも。それが古参のマネージャーになればなるほど新時代の案件の情報も経験も薄くなり、過去にこだわり始める、という。
10代から活躍する看板タレント・和田アキ子の魅力
その対照的な存在として、ホリプロの重鎮・和田アキ子の魅力を紹介。和田はホリプロで「10代~70代まで活躍しているのは和田アキ子だけ」というほど第一線で活躍してきたスター。
堀氏自身、子供の頃はよく現場に行き、現場のタレントやスタッフたちから「悪ガキ」と言われ、アッコさんにも「あっち行けこのヤロー!」とよく叱られていた。
そんな和田アキ子について堀氏は、「アッコさんも新しいものに対して食いつきが良い」とし、これまで何代もマネージャーが替わり、次々と新しいものが入って来て、「昔のアッコさんとは全然違う」という。
また、和田アキ子独特の嗅覚や感覚があり、タレントだけでなく、アスリートを含め一流になる人が集まってくる、という不思議な能力があるという。
個人事務所はお金がたくさんもらえるから良いのか?
また、個人事務所になることで、収益がよりタレント側に多く入ってくるイメージがあるが、タレントが稼いだ収益の事務所の取り分には、福利厚生・採用・補充などにかかる費用が必要となってくる。
個人事務所になれば少数のスタッフで回すことになり、一人辞めたら仕事が回らなくなる、とリスクを語った。
また、勢いが落ちて心機一転、独立するパターンについても、芸能界の仕事受注について説明。
「(人気)絶頂の時に寄って来る人はほとんど仕事を断られているので、恨みに思われる。人気が下がった時、その人にお願いしても、その人はもう欲してない」と思うように仕事は得られないと答え、「困ってるときに変な人が寄ってくる。その防御にかかる労力として、ある程度のスタッフが必要」と、芸能界の危ない話も披露した。
複数のタレントを抱える芸能プロダクションには、プロダクション同士の情報もあるので、防御法もある程度心得ているとした。
タレントとYouTuberの違い
一方で、昨今勢いのあるYouTuberについても。
堀社長は、「プロのYouTuberにタレントは敵わない」と語る。彼らには失うものが無い、得た利益のほとんどを次の企画に費やしてる、と運営の仕方の違いを説明し、収益が大きいと言われるCMについても、「CMを求めるタレントはYouTubeに向いてない。(CMかYouTubeか)どっちかにしないと」と、タレントに苦言を呈した。
そんな中、堀社長は芸能事務所経営に関して、大手であるホリプロは左うちわなのかと言えば、
「いつか辞めちゃうかもしれない恐怖。これで安心と思ったことはない。一夜にしてスターになる経験もあれば、あっという間に人気が無くなってしまうこともある」と、芸能界の不安定さを明かした。
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