ロバート・秋山竜次が、2021年7月11日放送のTOKYOFM『空想メディア』にゲスト出演。ダウンタウンの小学校時代からの同級生で、座付き放送作家として有名な高須光聖氏と、2021年6月12日に放送されたコント番組、TBS『キングオブコントの会』について語った。
高須氏は『IPPONグランプリ』(フジテレビ)、『クリエイターズ・ファイルGOLD』(NETFLIX)など日頃から秋山をチェック。
更に、TBS『キングオブコントの会』で披露された秋山作のコント『お昼の生放送』の約27分のノーカット版も取り寄せて観たという。
元々、高須氏が松本氏の相手役を務めたラジオ番組『松本人志の放送室』(01~09・JFN)時代から、『はねるのトびら』(01~12・フジ)での、キャラを憑依させた秋山のコントキャラを2人で絶賛していた(秋山もまたその噂を聞き、CDまで買って繰り返し聴いたという)。
そして、『キングオブコントの会』放送後の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ)の収録前の習慣となっている松本人志との雑談でも、高須氏は「秋山のコントおもしろかったな~」と喋り、『クリエイターズ・ファイルGOLD』については松本氏と2人で「アイツ、アホやな~w」と語り合ったという。
『キングオブコントの会』松本人志参加秘話
秋山は、キングオブコントに出演しているメンバーで『キングオブコントの会』をやると聞き、「え!?」と驚き、さらに松本人志がコントを書いて演じるということで、さらに「え!?」と驚いたという。
『キングオブコントの会』創設に関わっていた高須氏によると、『キングオブコント』をやっておきながら、TBSにはコント番組が無いのはおかしい、というところから『キングオブコントの会』をやることになり、番組のテーマとして、チャンピオンらが書いたコントに先輩が参加して乗っかる、という形で進めていたところ、松本氏から、「え?俺考えるよ?いや、俺ちょっと考えようかな~」と言い出し、潮目が変わったという。
一方、秋山も最初の打ち合わせで、労力の多い「自分たちでコントを考えて作る」タイプか、通常の「作家が書いた台本を演じる」タイプの番組かという“温度”を確かめたところ、スタッフから「まず、松本さんが2本(コントを)作られます」と聞き、楽をしようとしていた自分を恥じたという。
そして、出演者を誰をどう自由に使っていいと言われ、かなり悩んだという。
秋山作『お昼の生放送』
高須氏が「何をこいつずっと言うてんねんw!」と心の中で思いながら観ていたという『お昼の生放送』。
秋山のイメージでは、司会者のISAMIは60手前の大御所。元々は文化人ぐらいの感覚でテレビに入ってきた、やたらと仕切るのと盛り上げるのが上手い、というのがあった。
高須氏は「現場で、ステージでずうっとあんだけ泳げるやつなかなかいない」と場持ちの良さを挙げ、松本氏もスタジオで、「こいつ逆にめちゃめちゃ仕切るの上手いな!」とツッコみ、秋山は、おもしろさこそないものの、間を与えない技術こそISAMIの魅力だと語った。
コントの設定について、秋山のイメージでは、地方局の記念祭りでみんながいつもと違ってテンション上がっちゃってる感じと、『笑っていいとも!』(82~14・フジテレビ)のスペシャルでいろんな人が集まった不思議な感じが頭にあった。
そして最初に、「曜日」の案が昔から秋山の中にあったが、ロバート3人では少なくて保留になり、『史上空前!笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ2020』でも、コンビを組んだ千鳥のノブに話して盛り上がったが、やはり無理と消化できずにいた。
そこに、人数を好きなだけ使っていいという今回の話があり、ついに実現することができたという。
事前リハーサルでは、あれだけの人数を集めることはスケジュール的に不可能で、吉本本社でのリハーサルでは、ホワイトボードに人の絵を描いて、ロバートでコントを固め、そこにジャングルポケットやシソンヌ長谷川など若手にも入ってもらってさらに固めていったという。
また、「(所属)事務所」の場面では、高須氏は大御所アーティスト・つかさ役を演じたロッチ・中岡創一を絶賛。秋山も、ISAMIが曜日や事務所の違和感をツッコむ場面で中岡演じるつかさが乗っかってくれて、「軸を作ってくれた」と感謝した。
また、高須氏はジャングルポケット斎藤慎二が演じたベテラン俳優・和平国臣も良いと絶賛した。
高須氏は放送を観た後、「ずっと観れるわ(笑)」とすぐTBSに連絡し、完全版を取り寄せたという。
そして、「久々に笑ろたわ~。ずうっとモニター観ながらヘラヘラヘラヘラしてたわ!」と讃えた。
松本人志作『おめでとう』
松本人志作のコント『おめでとう』には、秋山も出演。秋山は松本のこれまでのテレビコントや『VISUALBUM』を観た上で、「あの空気感…、どういう感じで来られるんだろう」と思い、夢のような現場に「リハから、全部観てやろう」と裏から見ていたが、松本人志独特の、やりながら作っていく感じも含めて、「たまりませんでしたね」と語った。
高須氏によると、あのコントには台本がちゃんとあって、松本もそれに目を通して、各所の良し悪しを判断して直すが、いざ現場に入ると、「う~ん、なんかな~」と言いながら変えていくという。
そして現場で思いついたアイディアを口に出しながらやっていくと頭に入っていき、コントが出来上がると語った。
その調整を松本と高須氏が“たまり”と呼ばれるスタジオの端で行っている姿に、秋山やチョコレートプラネットなど、後から出る組は、「どんななんやろう」とソワソワしながら見ていたという。
元々『おめでとう』は、お祝いに来たのに、誰を祝っているのかわからない感じが面白いというところから始まって、それで終わるだけだと面白くないと、後から変な男が現れるが、その男自身も何のお祝いかよくわからないまま、更に変なことが起こるという風に台本が出来ていった。
高須氏は、松本の異常さが最初に目立つが、その後の展開で松本が普通に見えてくるけど、やっぱり松本が一番変という、「本人(松本)が好きなパターン」と解説。
そしてコントが出来上がったと松本の中で感じた後、「モニター観たいな」と言い、いろんなおめでとうを集めた映像が発注されたという。
秋山は『灘マーシャルのタカシ』を演じたが、決まっているのは役名だけで、キャラクターは秋山自身が作って来る形だった。高須氏はタカシが5本指ソックスを履いてきたことを絶賛。あの5本指ソックスは秋山がキャラに合わせて発注したものだった。
また、役柄として松本と絡む場面があり、そこの内容も任されていて、リハーサルで秋山から、「ちょっとデキているという感じで」とざっくり説明し、松本は「もう、どうぞどうぞ、好きにやってええよ」という感じで応えてくれたという。
後から出ていく組として先陣を切る秋山は、話の筋に乗りながら松本人志のコントを乱さないようにと、かなり考えながら演じたと語った。
また劇中には『ハッピーバースデー』を唄う場面があるが、収録以前の段階で演出の小松純也氏が、仮台本にコントのタイトルを『ハッピーバースデー』と書いていたのを見かけた松本氏が、「ハッピーバースデーじゃないよ。“おめでとう”やで」と指摘し、小松氏が「あああ!すいません」と直す場面もあったという。
松本人志作『管理人』
もう1本の『管理人』の方が好きだという高須氏は、このコントは会議で、「向こうっ側行って、しばらく向こうっ側をずうっと、向こうっ側の世界に1回ずっと行ってる」というアイディアを松本氏が出し、長ければ長いほどおもしろいと感じ、どれだけ長く行けるかというチャレンジがあったと語った。
本来ならスタジオコントではなく、一つの映像コントにした方が面白いとなったが、結局スタジオコントに落ち着いたという。
秋山はこのコントに、『VISUALBUM Vol.りんご「約束」』の「古賀」の感じがあると語り、高須氏も同調し、「松本が好きなんてああいうものなんやろね」と、“異常な人間が好き”な松本人志の感性を語った。
番組を終えて悔しい思いも
『キングオブコントの会』はトータル3日間で収録。秋山はあの現場の空気に幸せを感じたという。
秋山は収録終わりで熱が出たような、ポーっとした感覚になり、高須氏もみんなで作り上げた熱のこもった現場だと語り、秋山は、本当は飲みに行きたかったと、コロナ禍を恨んだ。
そして、コロナで参加できなくなった、かまいたちを慮った(かまいたち濱家隆一は『管理人』で管理人役を務める予定だった)。