山下達郎、木村拓哉との出会いと恩
- サエグササエル
- 2022年10月23日
- 読了時間: 3分
シンガーソングライターの山下達郎が、2022年1月30日放送のJFN『木村拓哉FLOW』にお祝いのシャンパンを持ってゲスト出演。木村との親交をきっかけから明かした。
今回、山下は2022年1月19日発売の木村拓哉2ndアルバム『Next Destination』に、『MOJO DRIVE』、『Good Luck, Good Time』、『MORNING DEW』の3曲を楽曲提供している。
竹内まりやからのメール
知り合ったきっかけについて。まず、山下の妻・竹内まりやがSMAP、とりわけ木村拓哉の大ファンだった。それで竹内が自身の25thシングル『今夜はHearty Party』(95.11.20)の歌詞に“キムタク”を入れ、さらに「どうせだったら、木村君に何かお願いしたい」と言い出し、実現した。竹内は寝ても覚めてもSMAP、SMAPだった。
元々ジャニーズとは、山下のビジネスパートナーが近藤真彦のディレクターだった縁で、『ハイティーン・ブギ』などの楽曲を提供。
この日、収録の前に竹内から木村に、その時スタジオで撮った写真がメールで送られて来ていた。写真を見返した木村は、「山下達郎と竹内さんに挟まれ、完全に空気に飲まれた自分が立ってますね」と当時の自分を批評した。
95年10月18日、木村23歳、山下42歳だった。
顔が赤くなる体験
スタジオに入った木村の第一声は「何やればいいんすか?」。木村は事前に何も聞かされておらず、山下から一言、“ナレーション”とだけ言われた。
ガラスの向こうにプロデューサー兼アレンジャーの山下がいる前で、竹内から「“ねえ、パーティーにおいでよ”って言ってくれない?」と指示され、やって終わりだと思っていたら、山下と竹内が入ってきて、「じゃあ今からコーラスを録るから、一緒にやらないか?」「よし、じゃあコーラスやろう」と2人に挟まれながら始まった。
竹内は山下を介して「ここ、“愛してるよ”って言ってもらって」と注文してきて、指示を受けた木村は旦那さんの前でそれを言わされ、「今思い出しても、顔赤くなりますよね」と当時の違和感を振り返った。
木村拓哉への恩
2003年1月期のTBSドラマ『GOOD LUCK!!』の主題歌に『RIDE ON TIME』(80.09.19)が採用、2019年10月期のTBSドラマ『グランメゾン東京』では『RECIPE (レシピ)』(19.11.27)を書き下ろすなど、木村との結びつきは強い。
『グランメゾン東京』の打ち上げパーティーには、山下がレコーディング中にもかかわらず現れ、「ちょっと持ってきたから、これ掛けて」とスタッフに音源を渡し、『RECIPE』をカラオケ状態で唄った。音響に厳しい山下がカラオケで唄うのはかなり珍しいことだった。
また、山下によるとその後コロナ禍でライブが無くなったため、『RECIPE』を人前で唄ったのはこれっきりだという。
山下の唄声に会場は大盛り上がりになり、終わったと思いきや、山下がMCをし始め、何か繋いでいるなと思ったら、続けて『RIDE ON TIME』を唄い、さらに盛り上がったというサービス精神旺盛さだった。
山下側からの目線では、『GOOD LUCK!!』の主題歌に、1980年に作られた『RIDE ON TIME』を木村が選び、収録された山下のアルバムが再び日の目を見たので、おかげで今現在、山下が1976年から82年まで在籍したRCA/AIRレーベルの楽曲カタログが“シティポップ”と呼ばれる形で生き残ったので、その感謝があったと語った。
木村が『RIDE ON TIME』を選んだのは、木村が海に目覚めるきっかけを作った9歳上の先輩の影響が大きく、その先輩が山下の大ファンで、一緒に海に行く時には先輩が編集した山下の曲と波の音が入り交ざったカセットテープを車で聴きながら、よくドライブしていた。
ちなみに、山下もその先輩と会って話をしたことがあるという。
そして部屋で『GOOD LUCK!!』の台本を読んでいる時に、プレーヤーから流れて来た『RIDE ON TIME』が台本の温度とピタッと合って、体がゾワゾワゾワッとなり、主題歌に決めたと明かした。
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