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  • 執筆者の写真サエグササエル

日本テレビ橋本和明氏、『有吉の壁』の全てを語る!

日本テレビの橋本和明氏が、2022年5月25日放送のニッポン放送「佐久間宣行のオールナイトニッポンZERO」にゲスト出演。『有吉の壁』誕生のきっかけを語った。



冒頭、番組台本に橋本の名前が記載されていないというミスプリントが発覚。日本テレビの番組では考えられないミスで、佐久間によると、各テレビ局の中でも日本テレビの台本が一番分厚いそうで、橋本氏の話では3人ぐらいの大人がチェックしてから、台本が渡されるという。


人見知りから脱却する方法



橋本氏は1978年生まれ。大分県出身。東京大学大学院修了後、2003年日本テレビ放送網入社。

大学院では社会学を学び、社会学者・上野千鶴子のゼミで研究していた。

社会学は分析が中心で、人を見るのがほとんど。上野の授業は特殊で、ディズニーランドに行って使い捨てカメラで写真を撮り、何を撮ったかを見比べられ、逆に自分がどういう人間であるかを分析されたそうで、今でも人を見る事に関して役に立っているという。

自分でも将来は研究者になると思っていたため、大学卒業前も就職活動をしなかった。ただ、大学院修了の時にテレビも好きなので、1社だけ受けようと募集が一番早かった日本テレビに応募。そこで採用され、人生が変わった。


日本テレビでは最初から制作に配属。ADからスタートし、最初は朝の情報番組『ザ!情報ツウ』(02.04~06.03)を担当。当時の制作部は徒弟制度が激しく、怖かったという。

最初の仕事は、深夜にコンビニで6万円分のおにぎりを買って編集所で配り、各先輩スタッフの好きなおにぎりの具を覚えるという記憶力の無駄づかいだった。

佐久間も制作に入った当初は、上司先輩のたばこの銘柄とコーヒーの飲み方の一覧表を渡され、「なんでこれを覚えなきゃいけないんだ」と内心憤慨していた。


また、入社後は吉川圭三プロデューサー班になり、“ストロングスタイルロケ番組”『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(96.07~)に参加。『ダーツの旅』のロケにも行き、いろんなタイプの人を見て話して、人見知りを克服。1日に数十人も知らない人に「何やってるんですか?」と話しかけることで鍛えられ、動じなくなったという。

一時期、日テレのディレクターはみんな『笑ってコラえて!』を経験していた。

佐久間も『TVチャンピオン』(92.04~06.09)で素人と向き合い、人見知りを克服。人見知りのテレビマン志望者は、ロケ番組や素人参加番組が無いと、おそらくやって行けなかっただろうと分析した。


『行列のできる相談所』豪華ゲスト出演の理由



2人は基本人見知り。会議の時には変な緊張感が生まれていると明かす。業界には意外と人見知りが多いが、1世代上のテレビ朝日の加地倫三氏(『アメトーーク!』)、日本テレビの髙橋利之氏(『行列のできる(法律)相談所』)などどこにでも入って行ける人が多い。

中でも髙橋はレジェンドと呼ばれ、他局に勤める佐久間でも、「とにかく急に電話かけて来て、絶対にあきらめないから絶対にブッキングできるっていう」辣腕ぶりが伝わってくるほど。

橋本が『ツギクル芸人グランプリ』の審査員をやった時、終わった直後に髙橋から「観たよ! コメントまとまってたね!」と電話があって、チェックされていた事にびっくりしたという。


『有吉の壁』誕生秘話



佐久間にとって橋本との最初の出会いは約10年前。ナベプロかどこかのお笑いライブ終わりに橋本から声を掛けられた。当時佐久間は『ウレロ!未確認少女』(11.10~12)、橋本は『SKE48のマジカル・ラジオ』(11.10~12、『2』12.04~06、『3』13.01~04)を手掛け、お互いに同時期にシットコム(シチュエーションコメディ)をやっていたのもあって、『ウレロ!』から東京03角田を役のまま『SKE48のマジカル・ラジオ』に登場させるコラボを実施。その時に直接電話でもやりとりをした。

それから7~8年、テレビ局のディレクターということもあり、特に付き合いは無かった。


ただ約8年前、佐久間が有吉の『有吉(弘行)のバカだけど(…)ニュースはじめました』(13.04~15.04・不定期)をやっていた時、有吉から『有吉の壁』を単発特番(15.04~)で作ってもらったという話を聞き、実際に観てプロデューサーが橋本と知り、一般人も巻き込んでコント師がバラエティー番組で笑いを取っていく姿は発明だと感じ、悔しかったと佐久間は語る。

当時はお笑いがやりづらく、橋本はしかし何かお笑い番組をやりたいと思っていた。そんな中、有吉と食事に行き、やりたいという話になり、勢いで企画書を提出したと振り返った。


有吉の魅力



橋本は有吉とは『有吉ゼミ』(13.10~)からの付き合いで、9年に及ぶ。しかしプライベートで連絡を取り合うことはない“良い緊張感”がある。

最近は『有吉の壁』では『修学旅行シリーズ』などが行われるが、有吉からはたびたび、「何か新しい事やりませんか?」と打診される。これは保守的になりがちなディレクターにとって、刺激になると語った。

一方、佐久間はブレイク前から有吉とたびたび仕事をしてきた。そんな有吉の起用理由について、「こっちが用意したものをぶっ壊して展開作ってくれるから、ゼロの方に」。それをやることに劇団ひとりが喜ぶので、新しい物を作り出してくれるというイメージがあった。

有吉はディレクターとは一線を越えた関係にはならないそうで、そこに上の世代の芸人との違いがあった。年一で腹を割った話し合いをするぐらいがちょうどいいと佐久間と橋本は語り合った。


橋本は『ドロステのはてで僕ら』を見に行くくらい下北沢大好きな文科系。また、『ジョビジョバさるしばい』を見て育ったジョビジョバ世代。落研出身でコントをやりたがっていた。

だがお金がなく、セットを作るにも1セット200万円と割に合わず、それでも「ロケでやろう」と苦し紛れにスタートした。

ロケをしている時は、各出演者の披露するネタの内容も把握できておらず、出演者も乗ってアドリブをかますので、おもしろいかどうかわからなかった。しかも日本テレビは当時お笑いの事をわかっているスタッフが少なく、“なんか好き”というスタッフが集まって手探りで進め、ロケ中はヤバイ番組なんじゃないかとヒヤヒヤしていた。

そんな中、とにかく明るい安村が髪を剃り出した時は、日テレらしからぬノリに、困惑。だが編集でめちゃくちゃ面白いと感じ、“読めないぐらいが面白い”と勉強になった。


一方、番組を観た佐久間は、有吉がこんなに笑うんだと驚いた。『内村プロデュース』(00.04~05.09)で有吉がゲラ(笑い上戸)であることはうっすら出ていたが、そのブレイク後は毒舌などであまりよく笑うイメージも無く、後輩たちとの絡みも新鮮だった。


出演芸人への愛



橋本は『有吉の壁』に出演してもらう芸人を探すためにライブによく行く。そこで佐久間ともよく遭遇するという。

もう中学生が来て、大ウケした時は「黒船来た!」と感じたと振り返った。

また、ジェラードンやかもめんたるなど、『有吉の壁』にアジャストしてポップになるコント師も増えた。

そんな中、パンサー尾形は本気で〇をもらいに来ていて、×を出されて生まれる笑いもある中、8年もやってて×を出される事に本気で怒れる事がスゴイと思った。


シソンヌ、特にじろうには、“憑依した瞬間のおもしろさ”を感じ、ずっと仕事したいと思っていた。

キングオブコント2014チャンピオンにもなり、呼ぼうとオファーをかけたが、テレビにはあまり出ていなかったため、スタッフ会議で失礼ながら一応オーディションをやることに。

結果、佐久間の手掛ける『あちこちオードリー』(2021.04.14)でシソンヌが「ここを海だと思って…」という設定を無茶振りされてやらされたことが笑い話となったが、明かされる事になってしまった。


しかし、この話が出た事をきっかけに、佐久間が番組の裏事情を明かしていいのか許可を取るため確認の電話を橋本に。ここでOKの判断が出たことから盛り上がり、佐久間もフリーになった事もあって、一緒に仕事をやろうと、『東京03とスタア』(21.10・全4回)が生まれる事になった。橋本がシソンヌに対して心苦しいと思っていた事が、「いいことあった」とようやく解放されたと述べた。


映画撮影で地獄を見る



6月から『有吉の壁THE MOVIE』が公開。『有吉の壁THE MOVIE』は横澤俊之プロデューサーの発案だそうで、会議は盛り上がったが、スタッフは地獄を見る事になった。

誰のボケを映画化するかは事前に「自由に決めてください」と伝えたため、有吉がガチでその場で決めた。


まず腹が立ったのは、空気階段鈴木もぐらの『万引き裸族』。

とにかく裸で万引きを撮影させてもらえるスーパー探しに奔走し、結果木更津で朝5時となった。

そして時間の猶予も無いため、ゴールデンウィークに朝5時から25時まで、木更津で連日ロケとなった。

選考されなかった芸人たちも役者としてできる限り出演。三四郎も出演したことを『三四郎のオールナイトニッポン0』で語っており、小宮はワンシーンのみの出演で、“みんなに出てもらえたら”という親心が、前乗りで朝5時、6時30分クランクアップと裏目になった。

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