星野源と松重豊、三浦大知が巡る思い出の地
- サエグササエル
- 2022年11月2日
- 読了時間: 5分
2021年11月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』は、NHKで生放送された『おげんさんといっしょ』の後という事で、共演した松重豊と三浦大知も付き添い、NHKの渋谷放送センターから有楽町のニッポン放送まで車で向かったが、最短距離ではなく、途中思い出の地へと寄り道した。
高円寺:苦労したチケットノルマ
高円寺に通りかかると松重が、「中央線って、演劇人もバンドマンも多いのよ」と語り、街に仲間といる事だけで楽しくなって、上を目指さなくなってしまった人たちが結構いて、むしろ「あの辺住まない方が良いよ」とまで言われるほど心地良かったという。
星野は埼玉県蕨市から上京するため、演劇や音楽をやるからにはと中央線沿いを探索。
中野・高円寺に怖さを感じ、西荻窪や吉祥寺は相場が高く、阿佐ヶ谷を訪れた際に「なんかのんびりしてて良かったんですよ」と風呂なし3万8千円のアパートに決めたという。
三浦は高円寺にあるボードゲームやカードゲームを取り扱う『すごろくや』に昔よく通っていたそうで、星野も三浦にカードゲームなどを教えてもらったという。
星野は大人計画に入る以前、高円寺周辺の小劇団に応募し、オーディションに受かり参加。その劇団の先輩や友達が高円寺と新高円寺間に住んでいて、泊まりに行ったこともあり、「お世話になってましたよ」と回想。3~5万円のチケットノルマを払って、自分でDMを書き、少しでも安くなるようにミニレターのようなものを活用し、そこにチラシを小さく折りたたんで、自分で封筒を作って高校時代の友人や先輩に送っていたと振り返った。
それを聞いた松重が、「それを繰り返していくと、高校の友達がどんどんいなくなる」と重ねると星野も「いなくなる!」と食い気味に同調。松重は「チケットノルマで全部友達なくしたもん」と振り返り、星野も頷いた。
松重はチケットノルマが払えず、どうにか逃げたりごまかしたりしていたが、友達の方も1~2年は来てくれたが、社会人になってからの3~4年目は来てくれなくなったという。
阿佐ヶ谷:思い出の地
阿佐ヶ谷に通りかかった星野はトラウマを発動。よく通った阿佐ヶ谷駅南口の本屋や「死ぬほど行った」富士そばや、たまに行った天丼てんやと西友、「2億回通った」道にある「ほぼいました」というモスバーガーを紹介。ロッテリアがバーガーキングになっていた事にはショックを受けた。
阿佐ヶ谷で過ごした日々を星野は、「SAKEROCKやってね、演劇やって、誰も観てくれないし、誰も認めてくれないような日々だったので、とにかくずっとアイディアだけ考えてるみたいな…、そんな20代前半でございました」と締めくくった。
中野:江古田に引っ越しした理由
車が中野に差し掛かると、星野は長くバイトしていたブロードウェイ辺りの沖縄料理屋を紹介。
一方、明治大学時代は吉祥寺に住みつつ、日本大学芸術学部で芝居の稽古をしていた松重は中野から出ていたバスをよく利用し、また友達が落合に住んでいたので、ブロードウェイ辺りの居酒屋で飲んでいたという。
星野にとって阿佐ヶ谷は居心地が良かったが、「ここから一旦出なきゃな。ちゃんと自分に厳しくあらねば」と自分に言い聞かせて離脱し、江古田に移った。
なぜ江古田かというと、武蔵野音大が近くて、“楽器可”の物件が多かった。そこでマリンバを買って練習し始めた。
新宿:星野には苦く、松重には憧れの土地
車が新宿を通り、松重は若き日を回想。
新宿西口の思い出横丁がまだションベン横丁と呼ばれていた時代、多くの演劇人がうろついていた。その雰囲気に憧れた松重も新宿を訪れ、そしてゴールデン街にあった小さな劇場『スペースデン(DEN)』で初舞台を踏んだという。
松重は明治大学在学中に劇団を作ったが、日藝の三谷幸喜の『東京サンシャインボーイズ』(83~94,09)に参加。
その理由について松重は「日藝の人達とやるとチケットノルマが無いんですよ、お金持ちの子が多いから。本当にそれが楽で、それで俺、明治を捨てたんですよ」と明かした。
一方。星野にとって新宿は初めてバイトをした場所。イタ飯屋で皿洗いのバイトだったが、時代の感覚もあって、そこの料理人に強く当たられていたのがトラウマだと語った。そのお店も今は無いという。
ニセ明が登場したワケ
車窓から日本武道館や東京ドームが見えてくると、星野がライブを行った時の話に。
初の日本武道館(14.02.07)はくも膜下出血からの復帰後で、武道館に立つという独特の緊張感よりも、復帰してちゃんとできるかという事への緊張感の方が大きかったという。
また、この公演で『ニセ明』が初登場。やった理由について、ふざける事で、「ふざけポイント」を多く作っておくことで緊張感を軽減させたかったと明かした。
●「「幸せですね」星野源、満員の初武道館ワンマンで完全復活」音楽ナタリー(2014.02.07)
日本武道館は約1万人を収容できるが、お客さんとは距離が近く感じ、また縦に長く連なるため、顔がよく見えるそうで、一体感が強く生まれると解説。
大好きだが、改装明けでコロナも落ち着き、本来の武道館としての目的もあって、人気過ぎて数年先までなかなか予約が取れないと嘆いた。
また、2019年2月27日の東京ドーム公演初日は、ずっと手が震えて、「いろいろわかんなくなっちゃって」、こんなに緊張するんだと実感。
だが、割とお客さんとの距離感が近いと気付くと震えが止まり楽しくなって、2日目も楽しいままだったと振り返った。
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