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本日最終回!『アタック25』の裏側を特集!

  • 執筆者の写真: サエグササエル
    サエグササエル
  • 2023年4月10日
  • 読了時間: 4分

1975年に始まり、2021年9月26日の放送をもって46年の歴史に一旦幕を閉じることとなった朝日放送(ABC)の人気長寿クイズ番組『パネルクイズ アタック25』。


2019年11月23日放送のNHK-BSプレミアム『ビートたけしのこれがホントのニッポン芸能史』では、アタック25を特集。

この時点で45年の歴史があり、総解答者数およそ9000人、作成した問題数およそ25万問を誇る長寿番組の裏側に密着した。


収録風景



この日の収録スケジュールでは、司会の谷原が午前10時30分入り、11時30分に全体打ち合わせが始まり、一方で解答者のメイクが行われ、12時30分に解答者への説明、13時にスタジオ入り、13時30分にリハーサルが行われ、14時から1本目の収録がスタート。

1本あたり、14時から15時15分まで1時間15分の収録を予定しており、その間に2本目の解答者がテレビ局入りし、メイクなどを行い、16時45分から2本目が収録される予定となっていた。


本番当日、収録2時間30分前に『全体打ち合わせ』が行われ、司会の谷原章介も参加し、解答者の情報や問題を1問1問確認。

模範解答の「つつうらうら」「つづうらうら」等をどちらでも正解と決めたり、イントネーションのチェックなどを細かく行ったりしていく。


司会の谷原は「僕が司会進行して貢献できる割合ってすごく少なくて、問題作りで8~9割は決まってくると思いますね」と問題作りへの情熱を称賛。

プロデューサーの秋山利謙氏は「とにかく徹底的に問題を洗って、絶対に間違いのないようにするのが基本です、アタック25の。たぶん、もう、日本一だと思って間違いない。それくらいの自信はあります」と語った。


番組を支える3種の専門家集団



問題作成を誇る『アタック25』に欠かせない3つの専門家集団として、クイズ作家、構成作家、問題チェッカーの3役を紹介。


まずアタック25では、12人のクイズ作家が問題を作り、収録3週間前に問題会議が行われ、毎週およそ200問のクイズ問題が提案される。そして厳しいチェックを経て、本番用に採用される。


そしてクイズと番組の構成を担当するのが、番組歴31年の構成作家・高見孔二氏。

高見氏はアタック25の問題について「どういう問題を作ったら一番良いかっていうのはまず、「やさしい問題」であり、「答えられる問題」。やさしいけど“おっ、考えてあるやないか”って問題が絶対必要なんですね」と語る。

また、「この番組は、一切問題スーパー(問題文の字幕)を出さないんですよね。耳で聞いて答えるんですね。耳で聞くという事で、わからない言葉っていっぱいあるんですね」と語り、

例として「木星に“さい”接近」のような場合だと、再接近と最接近のパターンがある。

こういった問題文を混同しないように、「わかるようにしていくと、あまりにもやさしい言葉にしていくと、今度クイズらしくなくなってしまう。言葉の使い方ってものすごく難しいですね。それが一番苦労するところだと思いますね」と苦労を語った。


3つ目の専門家である『問題チェッカー』はこの番組の一番の生命線と呼ばれ、担当するのはチェッカー一筋44年(当時)という倉橋光子氏。

チェッカーの仕事について倉橋氏は、「出題文として問題点がいくつかある。数字が間違っているとか、文字が間違っているとか。その問題点をクリアするために、ここの文章をこのように考えた方が良いんじゃないでしょうかねっていう、そういう提案をしている」と説明。

例として、慣用句の一部分を答える問題で、「慣用句で…」という書き出しを「植物の名前を使った慣用句で…」と変更させることを提案し、解答を導きやすくしていた。

「(まず)100言葉が頭に浮かぶ、次の言葉が出てきた時に50になる、それが25になり、10になり、5になり、1になる。そのように文章を作っていく」という。


本番スタート



そしてリハーサルでは、クイズの答え方以外に、入念なパネルの取り方の練習も行われる。

司会の谷原が優しく丁寧に、角(四つの隅)を取れる時は角を取る効率的なパネルの取り方を解答者に気付かせていた。


収録が始まると、スタジオや副調整室(サブ)には問題チェッカーがスタンバイ。

スタジオではチェッカーは解答者の誰がボタンを押したかをチェック。また問題文もどこまで読まれたかチェック。スタジオで聞くのとサブで聞くのに違いが出るので、それが無いようにしている。


非常事態発生!



そして今回の密着では、誰も解答できない問題が続き、用意していた問題が不足する可能性が出て、予備の問題を追加する準備をするという、スタッフがあわただしくする場面も。

構成作家の高見氏は「1年に1回あるかないかなんですよ」と笑いながら答え、「このクイズ番組の大事なところは正解が出ないとダメなところが他のクイズ番組と違うところなんですよ。正解が出ないと進まないから」とそこを一番気を付けているという。


また、これにより収録が中断。これまでの空気を壊さないよう、司会の谷原自ら、トークで場を繋いでいた。話は解答者だけでなく観覧席の仲間達にも及び、谷原は「皆さんに、出て良かったな~、このスタジオに来られて良かったな~と思っていただきたい、楽しんでいただきたい。この番組はやっぱり視聴者の方で成り立っている番組だと思うので、いかに実際出た方が楽しむのかっていう事が1つの肝かなと思います」と語り、収録に参加した解答者達も存分に楽しみ、満足した感想を述べた。

人気長寿クイズ番組と呼ばれる努力がここにあった。



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